生きてこ!

急性リンパ性白血病(Ph+ALL)になって骨髄移植を受けました。これから人生の新しいステージです。抗がん剤治療や骨髄移植、その後の自宅療養の日々について、興味あることも織り交ぜて書いています。骨髄移植を受けた人間が治療を通して感じたこと、その後どんな生活をしているか、書き連ねていこうと思っています。

これから造血幹細胞移植を受けるあなたへ

DAY239

こんにちは、ひららんです。

5月7日にプレドニンが増量されてから、発熱はピタリと治まりました。快適な平日を過ごしています。

今日は、先日から抱えていた、これから造血幹細胞移植を受ける方、そしてその親しい方々にどうしてもお伝えしたいことを書きたいと思います。

私は2017年9月13日にドナーさんから提供していただいて骨髄移植を受けました。その当日をDAY0(ゼロ)と呼びます。移植してから今日で239日、生き延びることができたということです。

骨髄移植に当たって、事前にドクターからは詳細な説明を受けました。最悪の可能性、生着の可能性、副作用の様子、5年後の生存率、移植を受けなかった場合の3年後の生存率。

私に示された数字は、生着したとして、5年後の生存率55%というものでした。もし移植を受けなければ、3年後の生存率は30%だったそうです。

そのとき感じたのは生存率の予想外の低さでした。少なくとも私にはそう思えました。「えっ、骨髄移植ってすごく大変で苦しいって聞いてるけど、それだけやっても生存率は半分ちょっとなの?!」と衝撃を受け、その晩は涙が止まりませんでした。

でも家族は移植を受けるよう強く希望してくれました。普段あまり真面目なことを言わない次男が、「少しでも確率が上がるなら、できることは全部やってほしい」と言ってくれたのが印象的でした。この子は臨床検査技師の資格持ちなので病気に関する知識は家族の中で一番詳しく、夫や私以上に、そして子供たちの中の誰よりも私の病状を深刻に受け止めていたようです。

私も、今の家族をこのまま残して逝くわけにはいかないという強い気持ちがあったので、受けることを決意したのでした。

移植は予定通り無事に終わりました。点滴と同様にCVカテーテルから入れるので、ほんの3時間半ほどだったでしょうか。

ドクターの予想より好中球ゼロ期間が長かったので、このままだと再移植の可能性があると聞いたときはさすがに不安になりました。そのときちょうどGVHDの下痢や吐き気、前処置の副作用の粘膜障害で苦しんでいたので、ひたすら血球が上がってくるのが待ち遠しかったです。

そして平均より数日遅れた9月30日、無事に生着が確定しました。急性GVHDとしては下痢と吐き気と発熱があり、粘膜障害で自分の唾液を飲み込むこともできなかったのが辛かったですが、皮膚はさほど影響を受けず、発疹もほとんど出ませんでした。特筆すべきだったのは「味覚障害が一切なかった」ということです。

11月には、移植後2ヶ月で退院することができました。今も発熱のたびに大学病院に駆け込むことはありますが、それ以外ひどい慢性GVHDに悩まされることもなく、平穏な毎日を過ごしています。

無菌室、無菌病棟での治療だったので、SNSを通じて頂いた応援は本当にありがたかったです。

ただ、移植は副作用やGVHDがどう出るか、受けるまでは誰にも分からないのです。このタイプの白血病だからこの薬を使う、というようにシンプルには行きません。同じ条件で同じ治療を受けても、人によって副作用やGVHDがどう出るかは予想がつかないのだそうです。

そして残念ながら、命を落とす方もゼロではありません。

Twitterで、同じ病気と闘って旅立っていった人の知らせを耳にするたび、顔も知らないのに涙が出ます。ときには声を上げて泣くこともあります。もういい年ですから、自分より若い方の旅立ちはことさら胸が痛みます。

同時に、自分が今ここにいることは当たり前なのではなくて、数々の奇跡が重なって救われたんだと、身の引き締まる思いがします。

 

今はこんな時代ですから、造血幹細胞移植について調べていたら、つらい情報を目にすることがあるかもしれません。亡くなった方の様子を知ってしまうと、「自分もこんなに苦しんで死ぬかも!」「それなら移植しないで静かに死を待ったほうがいいんじゃないのか」と本気で思われるかもしれません。

それでも。

これから造血幹細胞移植を受けるあなたには、勇気を持って立ち向かってもらいたいのです。

確かに、成功率は100%ではありません。

でも、死亡率が100%ということもないのです。

私のように、200日以上生き延びている人間がここにいます。

私だけじゃありません、ネット上にも、ネットでは見えなくても、造血幹細胞移植を受けて元気になった人はたくさんいるんです。

もちろん治療は楽な道ではありません。

あるドクターに不安を漏らしたら「まー抗がん剤を入れて元気になる人はいないからね」と言われて逆に開き直れたくらいです。

それでも。

どうか恐れないでください。

こんなヘタレな私でも、乗り越えることができました。

同じ人間です。あなたに乗り越えられないはずがない。

最後に梶浦由記さんの言葉をお借りします。
涙の海で抜き手を切って 未来を目指しましょう!